【法務・監査分科会】死後のデジタルデータの扱いについて

ゲートシティ大崎

場所:ゲートシティ大崎 東京都南部労政会館
講師:折田 明子 先生(関東学院大学 人間共生学部 コミュニケーション学科 准教授)

故人のSNSや、故人が所有するデータ、故人のプライバシーなどに関係する情報の取り扱いについて、その取り扱い方で考えるべき課題や、現在の関係各社の状況などについてご教授いただきました。

どうしても気になったことがあったので、先生に質問してみました。

例えば・・・


Aさんが「家族にはあまり見られたくないデータ」を、パソコンに保管しているとします。


Aさんは、とても親しい友人Bさんに対して、「僕が死んだらパソコンを完全消去してくれ」とお願いしていました。


Aさんが亡くなって、友人BさんはAさんの希望通りにパソコンのデータの完全消去を実行しました。


Aさんの親族が、相続に関する処理に取り掛かりました。


親族が気づいたときには、Aさんのパソコンは完全消去された後の状態です。


そして親族は、「なんで消しやがったんだ!」「重要なデータ資産があったかもしれないじゃないか!」「財産分与の情報があったかもしれないじゃないか!」とBさんを責め・・・


Bさんは親族から訴えられることになってしまいました。

こんなことが起こり得るのではと思い、先生に質問してみたところ、答えは「Yes」。
データの完全消去はAさんの意思であり、Bさんの行為はAさんに対する純粋な思いやりによるものです。
しかしそんなBさんが、相続の問題に巻き込まれてしまう恐れがあるのだそうです。

弁護士の先生がおっしゃるには、「そのような場合には、ほぼ間違いなくBさんを救えるだろう。」と言うことで、少しホッとしましたが。
しかし、相続というドロドロとした面倒くさい問題に、親しい友人を巻き込んでしまったことに変わりはありません。

このようなことを知って、死後のデータの取り扱いについては、誰もが考えなくてはならない課題なのだと感じました。